輸入をしていると稀にびっくりするくらい関税が高額なものがあります。

私は普段アメリカから日本へ商品を発送することを仕事にしているのですが、過去には商品の関税額を知らずに大きな痛手を被ったことが何度もありました。

実は関税というのは97分類にも分けられていて、さらにそこから1つ1つ条件によって個別の税率が変わるので、個人として把握するのはなかなかに困難です。

私個人の経験としては「革靴」の関税が最も手痛い出費でしたが、ある程度高いものには法則があり、それ以外はあまり気にしなくてもいいくらいの税率となっています。

そこで本日は、日本での関税率が高額な品目ランキングTOP10をご紹介したいと思います。

商品が日本に着いてからではどうにもならないので、事前に商品の関税が高額かどうかだけはチェックしておくとトラブルが少なくなるはずです!

高額の関税がかけられる理由

まずそもそもですが、なぜ関税は種類によって税率が異なるのでしょうか?

これは、日本の税収とする意味もありますが、最も大きな理由は日本の産業を守るためにあります。

一般的に日本は海外に比べて物価や人件費が高いため、商品の売り値も海外よりは高額になる傾向があります。

もし、海外から輸入される商品の方が国内で生産される商品よりも安いと、国産品が売れなくなり、経済に悪影響が出てしまいます。

そのため、経済への影響をある程度に抑えるために関税がかけられているという訳なんですね!

なので、「高額の関税がかけられる商品」=「日本で生産されている商品」となることが多いです。

関税が高額な品目ランキングTOP10

それでは実際に関税が高いものをご紹介したいと思います。

こちらで紹介する関税率は変動するものであり、また品目の形状や使われている成分などによって違う関税率となる場合もありますので、あくまでも参考程度に見ていただければ幸いです。

お米(関税率280%)

まずは私たち日本人の主食であるお米です。

お米の関税は全品目の中でもトップクラスに高く、精米1kgあたり341円という数字になっています。

これは、関税率に換算すると概算ですが約280%!

お米の関税は従量税のため、それが実際に何%に相当するのかお米の単価から計算するとこのようになるだけなので他の商品の関税率とは少し異なるのですが・・・

でもこう考えると日本で見る海外のお米は、本来であれば値段が3分の1くらいでも販売できるということなんですよね。

以前はお米の価格がもっと安かったので、関税率はなんと778%とも言われていました。

もし関税がなかったら、国内のお米はほとんどが外国産になってしまうことが想像できます。

こんにゃく(関税率1706%)

よく日本で最も高い関税率ということで例に上がるのがこんにゃくです。

こんにゃくの関税化が始まった時(1995年)に、その当時の輸入品価格が163円/kgだったものに対して関税額が2796円/kgだったことから、計算すると1706%の関税率と言われていました。

この頃は日本での物価の影響もあり、海外で生産されているこんにゃくが異常に安かったという背景があるようです。

実質、海外製のこんにゃくは日本で売っても儲からないということで、実際に輸入した人はそんなにいないのかなと思います。

現在は輸入品価格も上がっているので、高くても300%くらいの関税率となっています。

ちなみにこれはこんにゃく芋の関税なので、こんにゃく製品であれば関税率は約20%でそこまで高い関税ではありません。

また、ミャンマー製のこんにゃく芋は関税が無税なので、日本で売られているこんにゃくの材料は多くがミャンマー製です!

チーズ(関税率30%)

チーズやヨーグルト、バターなどの乳製品には35%程度の関税がかけられていることが多いのですが、その中でも特に需要が多いのがチーズです。

関税率は約22%〜40%と幅広いのですが、平均すると30%程度の関税がかかります。

こちらも国内の酪農産業保護の意味合いが強く、自給率を高める狙いから高額な関税となっています。

チーズの輸入は多くがEU諸国からのものなのですが、やはり国産チーズとは違う魅力があり、高額でも取り寄せたいという気持ちが分かります。

ワインやブランデーを買ったついでにチーズも欲しくなりますが、結構な関税がかかるということは覚えておきましょう!

砂糖(関税率35%)

砂糖はどこにでもあってお金もかからなそうですが、実は関税率が35%と非常に高額です。

砂糖に限らず、砂糖を多く使う砂糖菓子も同様となります。

キャンディやキャラメル、ホワイトチョコレートなど、私たちの生活でいつも目にする商品なので意外かもしれません。

なので、砂糖が加えられている商品を輸入するときは最も注意をする必要があります!

例えば、天然ハチミツであれば関税率は30%ですが、砂糖を加えた人造ハチミツの場合は関税率が50%となります。

ちなみに、商品が砂糖菓子かどうかは含有量が50%以上あるかどうかによって決まります。

ホワイトチョコレートをディップしたクッキーであればクッキーの関税率となりますが、ホワイトチョコレートにコーティングされたクッキーだった場合はホワイトチョコレートの関税率になるというわけですね。

バナナ(関税率40%〜50%)

南国産フルーツの代表、バナナは輸入時期によって関税率が異なります。

毎年4月1日から同年9月30日までに輸入される場合は40%、毎年10月1日から翌年3月31日までに輸入される場合は50%です。

これは国内産の出回る時期には高額の関税をかけ、国産品が出回っていない時期は関税額を下げるという仕組みになっています。

スーパーマーケットなどでは安く売られているため気が付きにくいですが、実は果物への関税としては最も高い部類に入るんです!

生産コストが非常に安いというのがこのような関税率になっている理由です。

また、発展途上国からの輸入は関税がない場合もあるので、バナナを輸入する時は産地をしっかり確認しましょう。

革靴(関税率30%〜60%)

高額関税で一般の方が最もびっくりする品目が革靴です。

革靴の定義は足の甲の部分が革製であるかどうかで判断されます。

なので、底がゴム製でも本革を他の部分で使用していると革靴という判断になります。

革靴の関税は「価格の30%または4300円のどちらか高い方」というのが一般的ですが、形状や種類によっては「60%または4800円のどちらか高い方」となる場合もあり、いずれにせよ高額です。

例えば、10000円の革靴の場合、30%だと3000円なので、価格の30%より4300円の方が高額となり、関税額は4300円となります。

つまり、革靴は14333円までは4300円、それ以上の商品なら30%ということですね。

ちなみに本革でなく合皮であれば関税率は10%程度まで一気に下がります。

サラブレッド(関税400万円)

実は競走馬には、なんと1頭あたり400万円もの関税が設定されています。

しかし、優れた競走馬は数億円以上の値がつけられることもあるので、割合で言えば数%以下となってそんなに高い関税率ではないのかもしれません。

ちなみに競走馬以外の馬は無税となっています。

農作業や乗馬体験、ペットなどの目的での輸入なら関税はかかりません。

実は生きている動物はほとんどが無税で、他に関税がかかる動物は牛と豚くらいとなっています。

牛肉(関税率25.8%〜50%)

生きている牛と牛肉では関税率は異なります。

生きている牛の場合は300kg以下のものは1頭あたり45000円、それ以上の場合は1頭あたり75000円という関税額となっています。

日本では牛肉の多くを輸入に頼っており、普段スーパーやレストランで目にするものの多くは輸入牛です。

そのため経済に与える影響が大きく、牛肉の場合は年間の輸入量によって関税率が変動します。

輸入量が規定を上回った2017年の8月には米国やカナダ産などの冷凍牛肉が38.5%から50%に、2021年の3月には25.8%から38.5%まで関税率が引き上げられました。

ちなみによく牛肉は輸入禁止と聞くかもしれませんが、日本への持ち込みの場合は大丈夫なことが多いです。

動物検疫が必要な部位などもあるので、その辺りはしっかり確認しましょう。

たばこ(関税率0%〜35%)

たばこは関税に関してそこまで高くありません。

紙巻たばこは無税、加熱式たばこは4%、葉巻たばこは20%、パイプたばこは35%となっています。

ほとんどの方が購入するのは紙巻きたばこなので、基本的には関税は無税と考えて問題ないかと思います。

ただ、たばこの場合は「たばこ税」というものが別にあり、こちらがなかなかに高額です。

税金が違いますが結局税関に支払う金額なので、ここでは関税と同じ括りにしてしまいます。笑

たばこ税は紙巻たばこは1000本、その他のたばこは1kgにつき約15000円がかかります。

つまり1本あたり約15円のたばこ税が輸入時にかかるイメージです。

お酒(関税率0%〜21.3%)

お酒に関しても関税は高くありません。

ビールなどは基本的には無税、ワインや果実酒など最も高いものでも21.3%となっています。

砂糖を加えると35%程度まで高くなるものもありますが、お酒類では例外のようなものなのでここでは除きます。

お酒の場合は酒税が必要になるので、これがやはり高いです。

たばこ税ほどではないので、輸入はしやすい(ただし販売免許などのライセンスが必要)と思います。

例えばビールを輸入する場合の酒税は1000リットルあたり220000円となっているので、1リットルあたりでは220円となります。

ワインや果実酒などの酒税は、1000リットルあたり90000円となっているので、1リットルあたりでは90円です。

日本の実効関税率の平均は6%弱!

以上、関税率が高い品目ランキングTOP10について解説させていただきました。

日本はとんでもなく関税が高いというイメージがあるのですが、これはお米とこんにゃくの関税率を過去にマスコミが大げさに報道したためかもしれません。

世界的に見ると日本の実効関税率の平均は5%台後半となっており、実は世界的に見るとかなり安い方です。

なので、上記で紹介したような高額な関税がかかるもの以外はあまり気にせず輸入を計画しても金額的には痛手にはならないと思います。

ただし、輸入にはたくさんのルールがありますので、その部分だけはしっかり確認してくださいね。

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