海外から商品を輸入をする時に頭を悩ませるのが「関税」の存在でしょう。
ただでさえ高額な国際送料に加え、商品を買う時にも現地で消費税を払っているのに、国内でもさらに関税を課されるなんて最悪!って思いませんか?
実はこの「関税」ですが、ある程度価格の安い商品なら回避する方法があります。
課税価格の合計が10,000円以下の場合は関税を免除するという「少額免税ルール」です。
実際には個人の場合に税率が通常の60%となりますので、日本円換算で約16,666円までの買い物は免除の対象になる(16,666×0.6=約10,000円)というルールになっています。
少し難しいルールなので、なるべく簡単に解説していきたいと思います。
少額免税ルールの上手な使い方

輸送の仕方を間違えてしまうと、意外な高額な税金になってしまうことがあるので、以下の点を注意するようにしましょう!
この形を守るだけで普通に普通に発送するよりかなり節税になります。
- 日本円価格で16,000円以内を目安にする(送料も含めて)
- 16,000円を超える場合は発送を分ける(ただし、同じ日には発送しない)
- 個人使用であることを明確にする(商用・転売目的に見えると免税対象外となるため)
- 贈答品(Gift)扱いを活用する(個人間なら上限2万円まで免税のルールがある)
ただこれらの対策虚しく、残念ながら税金がかかってくる「例外」も存在します。
税金が免除にならない3つの商品ジャンル
税関のホームページから細かく内容を見ていくと、「関税定率法施行令16条-3」に10,000円以下の免税ルールの例外がまとめて記載されています。
第十六条の三 法第十四条第十八号(無条件免税)に規定する政令で定める物品は、次に掲げる物品(第一号に掲げる物品にあつては、免税対象物品のうち当該物品を輸入する者の個人的な使用に供されると認められるものを除き、第二号から第十六号までに掲げる物品にあつては、本邦に居住する者に寄贈される物品のうちその者の個人的な使用に供されると認められるものを除く。)とする。
一 法の別表第一〇・〇六項に掲げる物品
二 法の別表第一七・〇一項に掲げる物品
三 法の別表第一七〇二・三〇号の二の(一)、第一七〇二・四〇号の二、第一七〇二・六〇号の二又は第一七〇二・九〇号の一若しくは二若しくは五の(二)のAに掲げる物品
四 法の別表第二一〇六・九〇号の二の(二)のA又はEの(a)のハの(ロ)に掲げる物品
五 法の別表第四二〇二・一一号又は第四二〇二・二一号に掲げる物品
六 法の別表第四二〇三・二一号又は第四二〇三・二九号に掲げる物品
七 法の別表第六一・〇一項から第六一・一〇項までに掲げる物品
八 法の別表第六一・一一項に掲げる物品のうちパンティストッキング、タイツ及び衣類
九 法の別表第六一・一二項から第六一・一四項までに掲げる物品
十 法の別表第六一一五・一〇号の一、第六一一五・二一号、第六一一五・二二号又は第六一一五・二九号に掲げる物品
十一 法の別表第六四〇一・一〇号の一又は第六四〇一・九二号の一に掲げる物品
十二 法の別表第六四〇二・一二号の一に掲げる物品
十三 法の別表第六四・〇三項に掲げる物品
十四 法の別表第六四〇四・一九号の一又は第六四〇四・二〇号の一若しくは二に掲げる物品
十五 法の別表第六四〇五・一〇号の一に掲げる物品
十六 法の別表第六四〇五・九〇号の一の(一)又は(二)のAに掲げる物品
十七 本邦に入国する者がその入国に際して携帯し、又は別送して輸入する物品
十八 関税暫定措置法(昭和三十五年法律第三十六号)第十四条第一項(沖縄県から出域をする旅客の携帯品に係る関税の免除)の旅客が同項の小売業者から同項の旅客ターミナル施設等において購入した物品又は当該小売業者から同項の特定販売施設において購入し当該旅客ターミナル施設等において引渡しを受ける物品であつて、当該旅客ターミナル施設等において輸入するもの
ちなみにこの文章を理解する必要は全くありません。笑
簡単に言うと、以下で紹介する3つの商品が実際に皆さんが輸入の際に免税適用外となるケースです。
材料に「革」が使われている製品

まず「革製品」は少額免税ルールの対象外となっています。
靴、カバン、財布など様々な製品に使われていると思いますが、共通点として「革」が使われている場合は、まず間違いなく免税されません。
特に革靴は非常に高い関税が取られることで有名です。
もし仮に500円の中古の革靴だったとしても、関税は「4300円か30%の高い方」というルールなので、最低4300円はかかります。
革靴ほどではありませんが、カバンや財布、スーツケース、手袋など商品を構成している一部分にでも「革」が使われている場合は十分に注意が必要です。
なお、合皮であれば免税ルールが適用されますので、本当は革なのに合皮と申請される方がすごく多いです。笑
商品を編み込んであるニット製品

ニット製品と聞くと、「あぁ〜、セーターね。」という想像をする人が多いと思います。
このニュアンスが実は一般の考え方とはだいぶ異なっていて、ポイントは「編み物」かどうかが判断の基準となっています。
そうすると全ての衣類はほぼ編み物になるので、Tシャツもパーカーもスーツも下着もすべて免税適用外ということになります。
なので、衣類は原則関税がかかる(ただ、実務的には免税となることも多い)と考えておく方が無難です。
関税率としては10%程度でそこまで高くないのであまり気にしなくても良いかもしれません。
日本の産業として守りたい製品

「米」、「砂糖」、「麦」、「ミルク」、などの日本の産業を保護するためにもこの免税が適用外となるケースがあります。
おそらくこれらのものを個人で輸入する人はほとんどいないと思いますが、ルールとして認識をしておくと安心です!
免税ルールの除外対象になっている商品は、実は一般税率でも高い関税がかけられているものが多いと言う特徴があります。
関税は日本国内の産業を守るために設定されているものなので、関税率を見ると日本政府の方針などが見えたりして面白いですよね。
