海外から輸入をするときは「関税」がいくらかかるのかとても気になります。

その中でも、多くの人が失敗すると有名なのが「革靴」の高額関税。

しかし輸入というのは面白いもので、同じような商品でも、関税が安くなるケース、かからなかったケース、すごく高いケースなどいろいろなパターンがあります。

そこで今回は日頃から革靴を輸入している経験を通じて、実際にはどのように税金が課税されるかを具体的にご紹介します。

革靴の関税を簡単まとめ

まず最初に、ほとんどの革靴では「商品代金の30%または4300円の高い方」が課税されます。

世間で一般的に販売されているブランドの革靴の場合は、この価格になると思っても概ねOKです。

ではこれらを無料にする方法は無いのかというと、実は無いこともないというのが答えです。

具体的には革靴の関税は以下のようなルールになっています。

  • 日本と自由協定を結んでいる国からの輸入・・・無税
  • 日本とWTO協定を結んでいる国からの輸入・・・商品代金の30%または4300円の高い方
  • その他の国からの輸入(基本関税率)・・・商品代金の60%または4800円の高い方

ただし、それぞれの革靴の特性によってもこの金額が変わるので気を付けましょう!

革靴の関税は「原産国」と「製品の特性」で決まる

革靴の関税は商品を作っている国と、その製品構造によって決まります。

私も以前にこの仕組みを知らずにアメリカのUGGでブーツを大量に買い付けてしまったことがあり、10足くらいで10万円以上の関税を請求されてびっくりしたことがあります。笑

革靴の原産国と関税額

まず、日本は15ヶ国と「お互いに関税を無税もしくは激安にしましょう〜」という自由貿易協定を結んでいます。

具体的にその15ヶ国は、オーストラリア、メキシコ、ペルー、チリ、スイス、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、モンゴル、ブルネイ、アセアンです。

これらの国で生産された革靴の場合は、どんなものでも「無税」となります!

次に、スイスを除くヨーロッパ各国やアメリカなどのWTO協定税率が適用されている国が原産の革靴は「商品代金の30%または4300円の高い方」というある程度割引された関税になります。

そして最後に、上記に該当しない国は基本関税ルールの「商品代金の60%または4800円の高い方」となる、最も高額な一般関税があります。

革靴の製品特性について

そして、関税の厄介な部分なのが、製品がどのような「要素」によって構成されているかどうかでも関税が変動するということです。

「表面、裏面の素材が何を使っているのか?」、「その製品は屋外用か、屋内用か、防水か?」、「つま先がとんがっているか、くるぶしは覆われているかどうか?」などの要素によって関税が細かく変わります。

正直言ってこの辺りは、税関職員でも調べながらチェックすることが多いです。笑

具体的な税額を知りたい場合は、自分で「実行関税率帳」から該当のものを調べるか、税関に電話を掛けて確認する必要があります。

なので知っておくべきことは、そういう特性によって税率が変わる可能性があるということになります。

革靴の関税は免税ルールの適用外

通常は輸入する商品の課税価格が10000円(個人使用の場合は税率が0.6掛けになるため16,666円)以下の場合は、関税と消費税が免除されるというルールがあります。

しかし、革製品の場合は残念ながらこのルールが適用外となっています。

また、輸入する商品の金額が20万円以下の場合は「簡易税率」という一般の税率よりも安い値が適用されることが一般的ですが、これも金額の大小に関わらず一般税率が課税されます。

つまり、国としては革靴にはどうしても高い関税をかけたいということです。

なので、革靴の場合は自由貿易協定の15ヶ国が原産以外の場合、関税は高くなるということは覚えておきましょう。

革靴の関税に関する正しい計算式

ここまで説明してきた革靴の関税ですが、話だけでは分かりにくいと思うので、実際の計算例をご紹介いたします。

1足ごとの価格が設定されていることがポイントなので、この点に注意しましょう!

例1、10000円の革靴を2足買った場合

10000(円)×2(足)×0.6(個人使用が目的の場合、税率は60%)=12000円

12000円×30%=3600円

3600円は4300円×2足の8600円よりも安いので、関税額は8600円となります。

例2、30000円の革靴を1足買った場合

30000(円)×1(足)×0.6(個人使用が目的の場合、税率は60%になります)=18000円

18000円×30%=5400円

5400円は4300円よりも高いので、関税額は5400円となります。

最終的な関税額は首席関税鑑査官部門に相談

このように、関税は品目ごとにとても細かく分類されていて、また毎年税率が変わったりもするので、基本的に覚えておく必要はありません。

海外から輸入をしようと思ったタイミングで、税関に問い合わせるのが一般的です。

ちなみに税関の中でも首席関税鑑査官部門にご相談されることをおすすめいたします。

この部門が税率を決定している場所になるので、そこで通知された数字が実際に法律として適用されるためです。

複雑難解ですが、日本には無いものを手に入れるためには必要なステップになるのでぜひ頑張ってみてくださいね。