アメリカ限定のコンバースが欲しい!

でも、日本ではインターネットでも輸入専門店でも売っていない・・・。

実はこれはものすごい特殊なケースで、本来であれば簡単なはずの輸入が、コンバースだけは商標権・知的財産権の関係で輸入が厳しく制限されていることが原因です。

個人利用でもとても厳しく、販売に関してはほぼ輸入禁止品と同じような規制となっています。

そんな中、今回は実際に輸入にチャレンジしてみたので、その方法と結果をご紹介したいと思います。

コンバースはなぜ輸入禁止なの?

コンバースの公式ホームページを見ると、

CONVERSEシューズの輸入に関する件

2011年8月
今般、東京税関において、CONVERSEシューズに関する輸入差止申立てが受理されました。
これにより、今後全国の税関においてCONVERSEシューズの輸入は差し止めの対象となりますのでご注意いただきますようお願い申し上げます。
なお、知財高裁平成22年4月27日判決によって確定しておりますとおり、日本国内の商標権者による許諾を得ていない、海外のCONVERSE商品の輸入に関しましても、日本国内の商標権を侵害することになります。
私共は、今後も引き続き、CONVERSEブランドの維持・発展のために、必要な措置を講じていく所存です。
コンバースジャパン株式会社
コンバースフットウェア株式会社

という記載があります。

本来であれば、偽物ではない真正品であれば輸入しても何も問題はないというのが輸入の一般的な原則です。

そんな中で国を上げてコンバースだけ特例として輸入差し止めしている理由は何故なのでしょうか?

これには商標権という法律が絡んでいます。

コンバースの場合は、商標権がアメリカはコンバース社が持っていて、日本は伊藤忠商事が持っているという珍しいケースです。

一言で言えば、アメリカの商標権を持つコンバースを輸入するということは、伊藤忠商事が持っている日本の商標権を侵害するということになるわけです。

過去にアメリカのコンバースのスニーカーを並行輸入していた会社が、伊藤忠商事に訴えられた結果、「商標権侵害にあたる」という判決が出たため、現在のような特殊なケースとなりました。

そんな事例があるため、アメリカの運送会社はコンバースの輸出はたとえ1つの個人輸入だったとしても難しいとなってしまったわけですね。

コンバースは実際に税関で没収される?

ルール的には難しいことは上記の通りですが、果たして本当に輸入が不可能なのでしょうか?

今回はお客様にこれらの理由を説明した上で、ご依頼を受けましたので結果をご報告したいと思います。

今回のご依頼はご自身で利用される目的の2足の輸入となっています。

以前に1足だけ送った時は何も問題ありませんでしたが、2足となると「販売目的」と思われる可能性があります。

ちょっと心配しながら送ったのですが、結果は何事もなく無事に通関できました!

運送会社からは、「個人使用ならさすがに大丈夫だと思うけど、差し止めをされて必要書類の提出を求められる可能性もある!」とのことでしたが2足であれば一応は問題はありませんでした。

それ以上の場合でも没収される可能性は低いとは思いますが、必要書類を求められるケースはそれなりにあるようです。

コンバースを税関で没収されないコツ

私たちがスニーカーなどを日本に発送する時は、実はメーカーについては書いていません。

税関にとって大事なのはどんな靴なのか、素材は何なのか、金額はいくらなのかというような、いわゆる関税に関わるところなので、「コンバースのスニーカー」というよりは「○○の素材を使ったシューズ」のような申請をしています。

そのため、基本的には税関で商品をチェックする際に、その担当の方がこれは輸入できないという判断をする可能性があるというのが実際のところかなと思います。

日本郵便(USPS)のような国営サービスであればほぼ輸入OK、ヤマト運輸や佐川急便のような民間サービスの場合は書類を求められるというような流れになりやすいです。

どうしてもアメリカ限定のコンバースが欲しいけど、現地に買いに行けないという場合は、輸送会社にUSPSを指定するというのが最も確実な方法かなと思います。

ただし、この辺りはどうしても税関判断となりますので、輸入をされる際は没収されてもご自身の責任となることは理解しておいてくださいね。